投稿者: hazarski999

  • 警備業界の外国人雇用 完全ガイド|採用可能な在留資格・欠格事由・実務チェックリスト

    2026年3月更新|Pro-meteon 2号警備綜合サポート

    「外国人は警備員になれるのか?」——この質問を多くの警備会社経営者からいただきます。結論から言えば、外国人でも警備員になることは可能です。ただし、在留資格によって採用できるケースとできないケースがはっきり分かれます。

    この記事では、警備業界における外国人雇用の法的要件、採用可能な在留資格、特定技能制度との関係、そして採用実務のポイントまでを網羅的に解説します。

    外国人雇用の基本データ

    341万人
    在留外国人数(2023年末)
    約220万人
    うち就労制限なし
    対象外
    特定技能の警備業適用
    約90%
    警備業の人手不足率

    在留外国人341万人のうち、約220万人が就労制限のない在留資格を保持しています。つまり、在留外国人の約65%は警備員として採用可能な潜在的人材プールです。人手不足率9割の警備業界にとって、この数字は決して無視できるものではありません。

    大前提:「外国人だから不可」ではない

    よくある誤解ですが、「外国人は警備員になれない」は間違いです。正しくは「特定の在留資格では警備業務に従事できない」です。在留資格の種類によって、採用可否が分かれます。

    警備員になるための条件は、国籍に関係なく、警備業法第14条に定められた「欠格事由」に該当しないこと、そして警備員として従事可能な在留資格を持っていることの2点です。

    在留資格別:雇用可否の一覧

    在留資格雇用可否就労制限備考
    永住者採用可なし日本人と同条件で正社員・パート可
    特別永住者採用可なし在日韓国・朝鮮人等
    日本人の配偶者等採用可なし日本人と同条件
    永住者の配偶者等採用可なし永住者の実子も含む
    定住者採用可なし日系人、難民認定者等
    留学条件付き週28時間以内資格外活動許可が必要。長期休暇中は週40時間
    家族滞在条件付き週28時間以内資格外活動許可が必要
    技術・人文知識・国際業務不可警備業務は対象外
    特定技能(全分野)不可警備業は16分野に含まれず
    技能実習不可警備業は対象外
    短期滞在不可就労自体が不可

    ポイントは「身分系」の在留資格(永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等)を持つ外国人であれば、日本人と全く同じ条件で警備員として雇用できるということです。就労時間の制限もなく、正社員としての採用も可能です。

    警備業法上の欠格事由(第14条)

    以下は日本人・外国人を問わず全員に適用されます。1つでも該当すると警備員になれません。

    No欠格事由
    118歳未満
    2成年被後見人、被保佐人、または破産者で復権を得ないもの
    3禁固以上の刑の執行を終え、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの
    4直近5年間に警備業法に違反したもの
    5集団的に、又は常習的に暴力的不法行為等を行うおそれがあると認められるもの
    6暴力団員等(暴力団員でなくなった日から5年を経過しないものを含む)
    7アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
    8精神機能の障害により警備業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができないもの
    外国人採用時の注意:本国での犯罪歴の確認が難しいケースがあります。自己申告に加え、可能な範囲で渡航歴・在留歴の確認を行うことが望ましいです。

    特定技能制度と警備業の関係

    現状(2026年3月時点)

    特定技能制度の対象は16分野(介護、外食業、建設、農業等)ですが、警備業は対象分野に含まれていません。したがって、特定技能ビザで外国人を警備員として採用することは不可能です。

    対象外となっている主な理由

    理由詳細
    国家安全保障上の観点警備業は公共の安全に直結する業務であり、身元審査や法的責任の面で制限が設けられている
    警備業法による厳格な規制欠格事由の確認、公安委員会への届出等、他業種にはない規制が存在
    言語・コミュニケーション要件緊急時の日本語での正確な意思疎通が必須とされる

    今後の見通し

    現時点で政府から警備業を特定技能の対象に追加する動きは公表されていません。ただし、人手不足の深刻化に伴い、将来的に施設警備等の一部業務に限定して検討される可能性はゼロではありません。

    また、2027年4月に施行される「育成就労制度」(技能実習に代わる新制度)でも、現時点では警備業は対象分野に含まれていません。

    外国人警備員の採用実務チェックリスト

    • 在留カードの原本を確認(コピー不可)。「就労制限なし」の記載を確認する
    • 在留資格の種類と在留期限を確認。期限切れの場合は不法就労となる
    • 留学生の場合は「資格外活動許可」のスタンプまたは記載を確認
    • 欠格事由に該当しないことを書面で確認(誓約書の取得推奨)
    • 住民票の取得を依頼(平成24年以降、外国人も住民票取得可能)
    • 身分証明書の代替として誓約書を準備(外国人は日本の身分証明書を発行できないため)
    • 法定の新任教育(20時間)を実施。日本語での理解が可能かを事前確認
    • 外国人雇用状況届出をハローワークに提出(雇入れ時・離職時とも届出義務あり)
    • 在留期限の管理台帳を作成し、更新時期を3ヶ月前に通知する運用を整備
    • 社内での多言語対応(教育資料の翻訳、緊急時対応マニュアル等)を検討

    教育・研修における注意点

    項目ポイント
    新任教育(20時間)警備業法で義務。外国人も例外なし。日本語教材が基本だが、翻訳版の準備が望ましい
    現任教育(年間8時間以上)日本語での受講が原則。理解度の確認テストを実施し、記録を残す
    交通誘導の合図赤旗・白旗の使用方法は万国共通ではないため、実技を重点的に
    緊急時の日本語「止まってください」「危険です」「警察を呼びます」等の基本フレーズは必須
    法令教育警備業法・道路交通法の基本は、やさしい日本語での説明が効果的
    出典:
    ・出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」
    ・警察庁「令和6年における警備業の概況」
    ・警備業法第3条・第14条
    ・帝国データバンク「警備業の倒産動向(2025年上半期)」
    ・各種行政書士・外国人採用サービス公開情報
  • 【2026年最新】警備業界の現状|倒産急増・人手不足の実態を統計データで解説

    2026年3月更新|Pro-meteon 2号警備綜合サポート

    警備業界は今、かつてないほど激しい変化の中にあります。認定業者数は過去最多を更新し続ける一方で、倒産・休廃業もまた過去最多を記録。業界の約9割が深刻な人手不足を感じており、特に中小・零細規模の警備会社にとっては厳しい経営環境が続いています。

    この記事では、帝国データバンク、東京商工リサーチ、警察庁の公開データをもとに、警備業界の現状を数字で読み解きます。

    主要指標(2024年末時点)

    10,811
    認定業者数(過去最多)
    587,848
    警備員数
    138
    倒産+休廃業(過去最多)
    約90%
    人手不足の割合

    認定業者数は増え続けている

    警察庁「警備業の概況」によると、警備業法第4条に基づく認定業者数は2024年末で10,811社に達し、前年より137社増加しました。2016年の9,434社から8年連続で増加しており、警備業への新規参入は衰えていません。

    認定業者数前年比
    20169,434社
    20179,548社+114
    20189,714社+166
    20199,908社+194
    202010,113社+205
    202110,198社+85
    202210,374社+176
    202310,674社+300
    202410,811社+137(過去最多更新)

    つまり、毎年100〜300社のペースで新しい警備会社が誕生しています。新規参入のたびに「認定申請の書面作成」「法定書面の整備」「教育体制の構築」が必要になるため、これらを支援するサービスへの需要は構造的に存在し続けます。

    倒産・休廃業は過去最多を更新

    2024年:倒産+休廃業 138件(過去最多)

    東京商工リサーチの調査によると、2024年の警備業の倒産は16件(前年比60%増)、休廃業・解散は122件(同87.6%増)で、合計138件に達しました。これは2000年の調査開始以来、最多の記録です。

    さらに、帝国データバンクの集計では2025年上半期(1-6月)だけで16件の倒産が発生し、前年上半期(8件)の2倍に。上半期だけで前年の年間倒産件数(15件)を超えており、年間では過去最多を更新するペースです。

    東京商工リサーチの最新データでは、2025年度(4月〜2月)の倒産は20件に達し、20年間で最多ペースとなっています。

    倒産企業の特徴

    特徴データ
    資本金1千万円未満倒産企業の75%
    人手不足が倒産要因2025年上半期16件中、少なくとも5件
    人手不足を感じている企業業界の約9割(正社員・非正社員とも)

    倒産の中心は資本金1千万円未満の小規模事業者です。賃上げの動きに追いつけず、人材確保もできず、管理業務に手が回らなくなった結果、法定書面の不備や教育体制の形骸化が進み、経営悪化に繋がるという悪循環が見て取れます。

    市場は堅調だが、大手の寡占化が進む

    業界全体の売上高は約1兆9,181億円(2024年)と、3年連続で増収を維持しています。しかし、その内実を見ると大手と中小の格差は拡大しています。

    区分2024年売上高構成比
    セコム+ALSOK(大手2社)6,623億円34.5%
    その他の警備会社1兆2,558億円65.5%
    合計1兆9,181億円100%

    大手2社が全体の34.5%を占め、寡占化が進行しています。大手はAIカメラ解析やロボット導入等のDX投資を積極的に進める一方、中小は人件費の上昇、低単価受注、DX投資の遅れに苦しんでいるのが実情です。

    なぜ中小警備会社は苦しいのか

    要因詳細
    人手不足(約9割)警備員の平均給与26.8万円は全産業平均33万円を大幅に下回り、人材が集まらない
    人件費高騰賃上げムーブメントの中、原資を確保できない中小は人材流出が加速
    低単価受注入札やゼネコンとの力関係で単価を上げにくい構造
    DX投資の遅れ大手のようなAI・ロボット導入は資金面で困難
    社会保険負担増2025年の負担増は小規模事業者ほど影響大

    Pro-meteonの視点:この状況が意味すること

    業者数が増え続ける=新規立ち上げの支援需要が常にある。倒産が急増している=管理業務に手が回らない会社が増えている。この両面で、法定書面の整備・教育体制の構築を外部から支援するサービスの必要性は高まっています。

    「人を雇えないから管理業務ができない」のであれば、管理業務を外注するという選択肢があります。当社はまさにその部分を担う専門家です。

    出典:
    ・帝国データバンク「警備業の倒産動向(2025年上半期)」(2025年8月)
    ・東京商工リサーチ「2024年 警備業 倒産・業績動向調査」(2025年5月)
    ・東京商工リサーチ「警備業倒産 20年間で最多ペースの20件」(2026年3月)
    ・警察庁「令和6年における警備業の概況」(2025年7月)